Jul 13, 2008

クルマ

国内自動車メーカーをあげてみましょう。トヨタ日産ホンダマツダ三菱スズキ富士重工
まぁこのあたりまではすんなりでるでしょう。

いすゞダイハツ日野。このあたりになるとちょっとすぐに出ないかもしれないですね。でもまだあります。

きらりと光るデザインの名車を出し続けているのが,富山にある(自動車メーカーとしては)小さな会社,光岡自動車です。この会社が,最近出した新車の「ヌエラ6-02はなかなかいい顔をしています。ベース車両までは自社開発していないようですが,なんにせよこのデザインは個性的でいいですね。いまどきこのクラシックスタイルで,それがしっくりきているのだから魅力的です。

そういえば昔,インプレッサにカサブランカなる車種がありました。私のインプレッサとまったく同じ年式に限定発売されたインプレッサのクラシックバージョンなる車種です。中身もまったく同じでデザインのみが,インプレッサの影も形もないという超キワモノ車であります。当時は変なクルマだなーと思って選択の余地はありませんでしたが,今思うと,なかなかいいクルマじゃないですか。通じる何かがあります。

さてこの光岡自動車,少し前にキットで作る自動車「K-4という大人のプラモデルみたいな車も出していました。オロチという超プレミアスポーツカー(でも実用性低そう・・・)なんかも出しています。どっちかというとこのスポーツカーで有名かもしれません。名は体を現すというか,大蛇そのものというか,007に出てきてもおかしくなさそうな,あるいはナイトライダーと勝負してもおかしくなさそうな強烈にインパクトのある車です。実車は見たことないですが,通りがかったら携帯で写真とってしまうかもしれません。なんにせよぜひとも踏ん張ってほしいメーカーであります。


| | Comments (927) | TrackBack (0)

Apr 19, 2008

センスのある実験者

研究者にはセンスが必要とよく言われます。でもセンスってなんでしょう。ゼロから実験をおこなうとき,アタリをつけるために適当なパラメータをえいやと決めてから試していくことがよくあります。この決め方に巧い下手があって,センスのある人間だと,実験をどんどん進めていけるような決め方をできるのに,ダメな人はどうどうめぐりの実験ばかり計画してしまう,ということがあります。

センスというやつは,直観やひらめきとも思われがちですが,実はそうではなくて,知識から論理的思考で導きだされるものだというのが今回の話です。

フェルミ推定。ご存知の方も多いかもしれません。昨今のビジネス書でも流行しています。要は,問題を解決するために,仮説をたてて,論理立ててざっくり推測してみましょうというアプローチのことです。少し考えてみましょう。

問題その1。「日本に医師は何人いるでしょう」
日本医師会のホームページでも見ればすぐわかるかもしれませんが,何も知らないときはどこからとりかかりましょうか。自分の知識を総動員してちょっと推測してみます。

・日本にはたしか80ほどの医学部があったはず。
・ひとつの大学の医学部は,1学年せいぜい100人ほどでしょう。
・となると,毎年8000人ほどの医者が誕生しているのでしょうか。
・25歳から65歳まで,40年ほどが,医者の活躍年数としたら,40年×8000人=32万人ほどが日本にいるのかな,と推測。

実際の数は,こちらでも参照してもらうとして,ポイントは,初めて聞くものでもなんとか知っているところから近づいてみようと考えてみるわけです。患者の数や病院の数から推測する方法もあるでしょう。私の場合は,それらの情報のなかで,一番精度の高そうな「大学の数」を出発情報として選んでみました。


問題その2。「一本の桜の木になる花びらは何枚?」

・桜の花は結構密集していますね。大体,5cm3ぐらいに3つほどの花が固まっているような印象を受けます。ひとつの花が5枚ほどの花びらから成るとすれば,125×10-6 m3ぐらいには15枚ほどの花びらがある計算です。
・桜の木は高さ5mぐらいでしょうか。ざくっと計算して,125m3。下部3mほどの高さまでは花びらがないとすれば,花のある部分の体積は50m3程度でしょうか。
・この中に花びらがあるので花びらの枚数は一本の木あたりざっと
(50 ÷ (125×10^-6))*15 = 6×10^6
600万枚といったところでしょうか。もちろん実際の枚数は知りません。落ちて積み重なった花の枚数から推測することもできるかもしれません。

いずれにせよこんな感じで,推測するのが「フェルミ推定」というわけです。コンサルタントは知った問題に出会うことなどほとんどないので,こういう論理的思考力が必要になるとのことですが,改めていうまでもなく,エンジニアや科学者にも不可欠の考え方でしょう。推測の精度を上げるには,精度の高い出発知識や情報からはじめる必要がありますが,それらをいかに組み合わせてほしい情報に行き着くことができるか,これこそがセンスの正体かと思います。

| | Comments (487) | TrackBack (0)

Nov 17, 2007

XMRV

特に旬の話題というわけでもないのですが,備忘録をかねてウイルスの話をひとつ書きましょう。
Xenotropic MuLV-related virus(XMRV)というガンマウイルス属のレトロウイルスがウイルス研究者の間で注目されているそうです。

レトロウイルスというのは宿主(感染者)のゲノムに自分自身を組み込むタイプの感染をするウイルスです。これまでヒトに感染するレトロウイルスというと,HIV(エイズウイルス)やHTLV(ヒト成人白血病ウイルス)などのレンチウイルス属や,出血熱を引き起こすフィロウイルス属が知られています。

レトロウイルスが生殖細胞のゲノムに組み込まれてしまうと,次世代のヒトは生まれながらにしてレトロウイルスが組み込まれている状態になってしまいます。現時点で,ヒトに感染するレトロウイルスで生殖細胞に組み込まれるタイプのウイルスは知られていません。これは過去に霊長類が,こうしたタイプのウイルスに対する防御システムを発達させることに成功したためです。あるいは,こうしたウイルスに対する攻撃に生き残ったのが現在の霊長類とも言えるでしょう。

で,昔々そうした防御システムが構築される前に,ご先祖様にゲノムに刷り込まれてしまったレトロウイルスを内在性レトロウイルスといいます。ヒトゲノムはすでに解析されましたがこの全ゲノムの2割ほどは内在性レトロウイルスといいますから,それはそれはご先祖様の病気との戦いは大変だったようです。

さてマウスやサルからヒトへ,といった異種間で内在性レトロウイルスが感染しうるかどうかというのは,たとえば,動物由来製品を人工臓器や再生医療用の材料に利用するときや,もっとダイレクトにたとえばブタの臓器をヒトに移植したりするとき(異種移植)に大きな問題となってきます。これには百家争鳴の議論があるわけですが,ごく単純にまとめると,ひとまずのところ現在では,異種には細胞培養などでは感染しうる,ただし実際の生体では感染しうるという証拠は見られない,これは先に述べたような防御システムのおかげではないか,といったところです。要するに,猫や犬を飼っていても,猫や犬などの一般的な家畜動物の内在性レトロウイルスには感染しないということです。そうした戦いはすでにご先祖様が十分に終えているのです。

さて,前置きが長くなりましたがXRMVというのは,マウスの内在性レトロウイルスにそっくりの配列をもっていました。言い換えると,あらゆるマウスが持っているウイルス(MuLV)はこの配列によく似ています。

Xenotropicというのは異種指向性という意味で,マウスからマウスにはかからないが,マウスからヒトなどの異種には感染するという意味です。ただし,やはりこれも実験室レベルの話で,実際には防御システムのおかげでヒトには感染しないようです。

ところが,最近の論文で発表されたのは,前立腺がんにかかった人の4割がこのウイルスにかかっていたという証拠です。さらに詳しく調べると,この感染者はレトロウイルスに感染した際の防御システムのひとつのRNAse Lという酵素に変異が入っている人ということがわかりました。

がんがウイルスが原因というのは目新しい話ではありません。肝がん(C肝ウイルス)や,子宮頸がん(パピローマウイルス),成人T白血病(HTLV)など多くの例が知られています。がんの1割か2割はウイルスが原因とも考えられています。

つまり,遺伝的にある種の変異をもつ人は,本来人がかからないはずの,異種動物の内在性レトロウイルスに感染し,それががんを誘発するというストーリーがうかびあがります。

こうしたウイルスは,これまでヒトとの接触がほとんどなかった(ただしマウスとは接触のあった)動物が宿主かもしれません。未知のウイルスでしたので,当然ながら従来の検査にはひっかかってきません。献血や,血液製剤などに紛れ込んでしまうリスクが非常に高いといえるでしょう。しかもウイルスが原因の癌化は,感染から数年,数十年のスパンで進行していき,癌がわかるころには感染が蔓延している可能性もあるという,なかなか恐ろしげな話です。

今後もこうしたウイルスが発見されていくでしょうし,遺伝的欠損すべてに対してチェックをするのも不可能です。ですが,わかってしまったXMRVのようなウイルスはやはり献血などの公衆衛生に大きく影響を与える可能性のあるウイルスは,即座に対応をとるべきじゃないかと思うわけです。

#ウイルス専門家じゃないので,直しますので間違っている記述あればご指摘を。

| | Comments (7101) | TrackBack (0)

Sep 17, 2006

携帯用オーディオプレイヤー

前々からほしかった携帯用のMP3プレイヤを買いました。店頭で実際に見て,結局選んだのはパナソニックのSV-SD800Nという製品です。携帯用ですので極力軽く,嵩張らない形のものが欲しく,その条件だけで数製品に絞り込みました。あとは連続再生可能時間を見たのですが,パナソニックの別の製品だったと思いますが,150時間というのがあって格段に長いのがありました。これにしたかったのですが,ふと見ると,ノイズキャンセラ付のイヤホンというのがあります。そういえば以前のMDプレイヤーでは,電車で英語を聞こうとしても聞き取れないなと思い出しました。連続再生時間は30時間とありましたが,仕方ありません。これにしようと決めました。
要するになんのことはありません,結局最新の機種でした・・・。

さて世界初を謳うだけあってノイズキャンセラの効果はなかなかです(ノイズキャンセラは以前にあったと思うのですが,なんで世界初なのかは不明)。今,ためしにパソコンをうちながら,聴いていますが,相当にうるさいデスクトップPCのファンの音がまったくといっていいほど聞こえません。低周波数のノイズには効果的とありますが,思った以上の効果です。周囲の話し声や雑音がないほうが仕事がはかどりますので,音楽を切って耳栓がわりに使おうかと思うぐらいです(笑)。

これだけだと周囲の音が聞こえなくなって危ないという配慮でしょうが,イヤホンのコードが部分的にマイクになっているようです。触ると音がします。これをさらに高感度にして,マイクの音を大きく,音楽を小さくして,周囲の音をよく聞こえるモードにもワンタッチで切り替えられます。日本製品らしいなかなかの気配りかと思います。

付属のSDカードは,128MB。いまどきのMP3プレイヤとしてはさすがにこれはちょっとないなと思いました。メモリが一番価格の高い部分とは思いますが,軒並み他の製品が最低512MB以上というのにこれでは・・・・そうか,SDカードにすることで,他社製品がメモリに費やしている部分の値段を本体価格に組み込んで対抗できるわけですね。

*以下11/5/06追記
購入を前提に(?)このブログにたどり着く方もいらっしゃるようなので,購入して2ヶ月ほどたって再び使い勝手について追記しておきましょう。
・イヤホンのゴムパッドがはずれやすいです。なくなると痛くてつけられませんし,ノイズキャンセラもうまく機能しません。といってもイヤホン自体がこの製品のミソで特殊なため,普通のイヤホンを替わりにつけられないので,なくさないよう注意。一応,付属品として,サイズが合わなかった人用に,大と小のゴムがついていますが,それより,中のやつの予備をつけて欲しいと思ったことが2回ほどあります。はずれてなくなりそうなのを必死に探しました・・・・。イヤホンのゴムだけ売ってるのかなぁ。
・ノイズキャンセラはかなり高性能。電車で聞く人や,機器やPCの重低音ノイズが気になる人には文句なくおすすめ。意外と周囲の会話も抑えてくれるので,オフィスで耳栓がわりに仕事に没頭したい人にも最適かと。まぁそれでまわりに文句いわれても知りませんが。
・書き込みソフトの操作性はよくありません。書き込みも遅いですし,データ形式も特殊ですので,他のモバイルプレイヤーを持っている人は不満を覚える可能性が大。
・電池は結構長持ちします。
・買って使って,それなりに満足してます。

| | Comments (929) | TrackBack (1)

Sep 06, 2006

ご出産

紀子さまが男の子をご出産とのことで,何はともあれ皇室の危機は当面救われたのではないでしょうか。よろこばしい限りです。女系天皇をめぐる議論の中には生物学の立場からY染色体云々というのもあるようですが,何をかいわんや,伝統や歴史のうえに成り立つものは,科学的思考や合理性とかとは違った座標軸で議論するべきものと私は思います。その点で今回のご誕生は大きな意味を持ちます。明日の各紙の社説もひそかに注目です。

さてそれに加えてもうひとつよいニュース。
秋篠宮ご夫妻、さい帯血提供申し出る…愛育病院長

帝王切開で男のお子さまを出産された秋篠宮妃紀子さまの主治医、中林正雄・愛育病院長は6日、秋篠宮ご夫妻が「国民の役に立つことであれば」と、さい帯血の提供を申し出ていたことを明らかにした。さい帯血は、へその緒と胎盤に含まれる血液で、血液を作る成分を多く含んでおり、白血病など血液疾患の治療に利用されている。「東京都赤十字血液センター臍(さい)帯血バンク」(江東区)によると、愛育病院は、都内の病院でさい帯血採取の提携をしている9病院の一つ。この日、採取された紀子さまのさい帯血は、同センターが細胞の量などを調べる精密検査を行い、要件を満たしていれば登録して凍結保存される。同センターでは、ご夫妻の決断に「大変にありがたい篤志。さい帯血の採取はなかなか定着しないが、妊婦の理解が深まることで、提供が少しでも増えてくれれば」と歓迎している。(読売新聞)

臍帯血の研究を日々おこなっている身としては,注目を集めてもらえると利用や提供の増加につながりますので,これまたよろこばしい限りですね。提供は公的バンクの話ですが,民間保管会社へも追い風になります。いまだに,「病院で採取した血液を,外部の機関に出すことはできない」とか「院内の倫理委員会に通さないと云々」などと臍帯血の採取を拒否する前時代的な考えかたの医師や病院も多くいます。有用なものを利用することこそ医療機関が積極的にすすめるべきもので,保身を優先するのは,医療機関の立場としてはちょっと違うんじゃないかと思います。ここでも紀子さまは皇室としての立場からあるべき姿勢を表明してくださいました。すばらしいと思います。

| | Comments (11) | TrackBack (1)

Sep 03, 2006

生き物を飼うこと

小さいころからいろいろな生き物を飼育してきました。なかでも昆虫はたくさん飼いました。カブトムシ,クワガタムシ,スズムシなどの定番からカラタチの木に居ついたアゲハチョウまで。その中でもとりわけ大好きだったのが,水生昆虫です。小学生のころは,いくつも水槽を並べていたように思います。ヤゴやアメンボ,ミズスマシ,ゲンゴロウなど行動範囲の広い昆虫は飼育は難しいですが,ガムシ,ミズカマキリ,タイコウチ,タガメなどは比較的容易です。

といってもガムシ以外,いずれも生きている生物を餌とするので,金魚やメダカなどをあたえる必要があります。残酷な気もしますが,捕食の様子は圧巻です。タガメなどは力も相当強いので,少々自分より大きい魚もがっちり捕まえます。何時間も水槽の前で見入っていました。

飼育が容易と言ってもやはり生き物の世話は大変です。餌だけでなく,温度や湿度も重要です。定期的に様子をみて水や土を替えたり,食べかす,ダニ,死骸をとりのぞく必要もあります。繁殖させてしまえば,新しい容器に移し替えたりして適切な生物密度を保たなくてはいけません。鳥や犬,猫も飼っていたことがありますが,大きなペットなら散歩や相手になってやらないといけません。

ふと今の仕事を見ると,とりあつかっている対象が細胞になって,顕微鏡を通してみているだけでやっていることは小学生の自分とかわっていないのですね。毎日,播種や培地交換,栄養物質の添加,継代,培養環境などの心配をして,増え方,顔つき,元気さなんかをあれやこれや手をつくして調べています。

やはり性に合っているのでしょう,生き物を育て,世話をすることが。生物の研究はつくづく農業だと思います。細胞培養の仕事(Cell Culture)を引退したら,田舎で畑を耕す(Agriculture)のも悪くない老後かもしれません。
もちろん(まだ)ジョークです。今からそんなことを考えてもどうにもなりません。

| | Comments (9) | TrackBack (0)

Sep 02, 2006

イースター島の文明とカオスの縁

NHKの世界遺産の番組でイースター島の番組が放映されるのを楽しみに待っておりました。イースター島に行ったのはほぼ丸5年前。ついこないだのことのように思い出に残っています。
Spa280382

番組では,モアイの意味,製法,歴史などが紹介され,そのなかでもさらっとしか触れられていませんでしたがイースター島を語るうえで欠かせないのは,島の悲しい歴史でしょう。

イースター島は火山の島でもともと木々が生えにくい島です。ポリネシアからの移民ののち人口増加とともに,そしてモアイ製造のために島の木々はことごとく伐採されてしまったようです。森林を失った島の土地はやせていきます。それでもわずか数千人の島民は何世紀にもわたって部族の象徴であるモアイを中心として暮らしてきました。

最古のモアイは5世紀ごろ,約2メートルほどの比較的小さなものです。モアイのルーツはポリネシアの島々に共通する石像でした。しかし他の島からわたってきた彼らですが,島民全員が乗れるような船を作り出すだけの木々はすでに島にはなく,もっとも近い人が住むピトケアン島から2000km,チリやタヒチにいたっては4000km近く離れている絶海の孤島から彼らが脱出できる手段はなかったでしょう。彼らは山の岩を切り出し,モアイを作り出すことに全精力を注ぎつづけました。

モアイは各部族の長を表すといわれています。部族間で次第に大きなモアイが競ってつくられ,技術も発達し,15世紀には15メートルもの巨大なモアイが作られるようになったといいます。やがて島は最盛期,17世紀ごろを迎えたところで,人口が2万人を超えるころ,島の文化一気に秩序から崩壊へと向かいます。人口が増えすぎたため深刻な食糧危機におちいって内戦状態になりました。

部族間の内乱は50年ほど続いたといわれています。部族の力の象徴であるモアイはことごとく倒されました。モアイ倒し戦争がおこったこの荒れた時代は「フリ・モアイ(Huri Moai)」と呼ばれています。いくら2万人とはいえ,小豆島ほどの大きさの狭い島です。住人同士の顔も覚えてしまうようなところでしょう。見知った顔同士殺し合い,食べ物を奪い合い,住居を破壊し合う,悲惨なものだったと想像するのは難しくありません。アナ・カイ・タンガタ(Ana(洞窟) Kai(食べる) Tangata(人))という食人伝説の残る洞窟も島にはあります。
Spa280410

戦いでつかれ切った島民を待ち受けたのは大航海時代を経た西欧諸国の探検家です。多くの島民が奴隷として連れて行かれたようです。また,無事に島に戻ってくることのできた島民や西欧人からは,島に天然痘が持ち込まれ,島民は壊滅的な打撃をうけたようです。西欧人の布教活動も島にあった文化を結果的に根絶やしにすることになりました。

これによって島独自の文字「ロンゴロンゴ(Rongorongo)」を読み書きできる人間は完全にいなくなりました。ひとつの文明が途絶えてしまったのです。

イースター島の歴史を考えると,いつも思いは人類全体に飛躍して考えてしまいます。イースター島の文明は外部からの供給のない,「閉じた」生態系として考える人がいますが,地球もひとつの閉じた系と考えるなら,イースター島の教訓を環境保護に活かすべきというわけです。

私はイースター島の文明におこったことが,人口がある閾値を越えた瞬間に崩壊にいたったからといって,地球上の文明全体にも当てはまるとは思えません。しかし,地球の人口もある数を超えると,それまでとはまったく異なった様式の,人間同士の相互作用が生まれるのは確かだと思います。これにははっきりした根拠はなく信念に近いものです。そのときの人口が100億か,1000億かわかりませんし,それが人類を崩壊に導くものか,救いをもたらすものかさっぱりわかりません。カオスのエッジを渡りきったところにあるのはカタストロフィなのか,それとも新たなアトラクターなのかすらもわかりません。

| | Comments (28) | TrackBack (0)

Aug 20, 2006

読書感想文は誰のもの

読書感想文というのは一体なんのためになるのかよくわからない宿題です。結局のところ行き着くのは宿題だからと,心にも思っていないような優等生的な文章を書いてお茶を濁したという人も多いのではないかと思います。それならばと,教師受けのする文章を人に書いてもらえればいいという発想をする人間がいるのは理解できます。「自由に使える読書感想文」なるサイトのほかにもいくつかその手のサイトはあるようです。

フリーと謳って提供している感想文を見ると中身のない文章なのですが,こんなものでも実際に自分が書いた文章として書き写してしまう小中学生はやはりいるんでしょうね。これに限らず,今やネットで調べればあらすじや書評など簡単に検索できる時代です。私もこのブログ以前からもウェブ上で書評をずいぶん書いていますが,要約などを求めてたどり着く方も少なくないようです(私はあらすじを書かない主義ですし,感想も斜に構えていますので宿題の役には立たないと思いますが)。また自由研究などの代行もオークションなどでビジネス(小遣い稼ぎ?)にしている人もいるようです。

読書感想文などを書き写す人間には,読書感想文のいい悪いを批評する前に嘘をつくことはいけないと諭してあげましょう。自分が書いたものではないものをさも自分が書いたように嘘をつく心を子供の時分から育てる必要はありません。読書感想文サイトの主宰者などは今更手遅れで放っておくしかありませんが,十分な判断基準と決断力を持たない子供(小中学生に限りませんが)には周囲が教えなければいけないと思います。お金払えば何やってもいいとか,人に迷惑かけていないからいいじゃないかと開き直る人間の芽は,子供のころから作られているのでしょう。ところが,論文捏造問題にも通じるのですが,残念ながらこういう人間が教育者や,指導者をやっている場面にしばしば出くわします。情けない限りです。

| | Comments (9) | TrackBack (1)

Aug 16, 2006

終戦日から一夜

今日の新聞各紙の社説は面白い,と言っては語弊がありますが,各社の姿勢が実に明確に出ていますね。記事のスクラップを兼ねて順に並べてみましょう。

靖国参拝 耳をふさぎ、目を閉ざし(朝日新聞)

8・15首相参拝 こんな騒ぎはもうたくさん(毎日新聞)

ひとりよがりの小泉首相靖国参拝(日経新聞)

[首相靖国参拝]「『心の問題』だけではすまない」(読売新聞)

8・15靖国参拝 国の姿勢示した小泉首相(産経新聞)

比較的冷静に分析し問題提起をしているのは読売。一方で最初の3つはこれを読む限り中韓の機関紙レベルといってよいでしょう。日本の首相が戦没者追悼施設に平和を祈念して参拝することは当然日本人からは評価されるべきです。というよりもむしろ誇りに思うところだと思います。

| | TrackBack (0)

Jul 15, 2006

梅雨明け

本年度の京都市のクマゼミの初鳴日は7月8日でした。
過去の初鳴日で記録をとっていた日と梅雨明け日(確定値)を書いてみましょう。
2006/7/8(まだあけてません)
2005/7/7 (7/18)
2004/6/30 (7/13)
2001/7/9 (7/19)
1998/6/27 (7/31)

・・・・ん?!ひょっとしてあまり相関ないのか!?と思って過去の天気のデータベースをみると
2005/7/7雨, 8晴, 9雨, 10......8/29まで晴or曇, 8/30雨
2004/6/30晴....(7-8月が7/18のみ雨)

これ見ると,気象庁発表よりクマゼミのほうが正確では。
2001年と1998年はちょっとわかりません。ま,比較数が少なすぎて統計的に意味のある話はできませんが,おもしろいかも。

| | Comments (11) | TrackBack (0)